26年度

平成26年度 産学官技術交流会(兼 TES新会員歓迎特別講演会)

日 時 平成26年12月13日(土)  13:30~18:30
会 場 (一財)日本繊維製品品質技術センター(QTEC) 福井試験センター
共 催 日本繊維製品消費科学会 北陸支部福井地区
内 容 (1) 講演会    
①『合成・人工皮革の劣化とメカニズム』        
 講師:名古屋女子大学短期大学部 教授 榎本 雅穗 氏    
②『最近の仕上剤の開発動向について』 ~撥水剤、防炎剤を主として~
 講師:日華化学㈱ 研究開発部 主席 柘植 好揮 氏
(2) 交流会
参加者 講演会56名 / 交流会 21名(内・新会員 11名)

講演会および歓迎会要約

(1)講演会 ①『合成・人工皮革の劣化とメカニズム』        
 講師:名古屋女子大学短期大学部 教授 榎本 雅穗 氏    
②『最近の仕上剤の開発動向について』 ~撥水剤、防炎剤を主として~
 講師:日華化学㈱ 研究開発部 主席 柘植 好揮 氏


榎本氏は、まず 人工皮革(銀面付き、スエード調、エンボス付き、バフスエードタイプ等の 各種)と合成皮革(製造方法から、乾式・湿式)の違いを、これらに用いられるポリウレタン 樹脂の化学構造と構成(ハードセグメントとソフトセグメント)について、またこれらの主部を為すジイソ シアネートやポリオール等の構造と特性/性能について話された。
その上で、ポリウレタン樹脂の劣化の各種メカニズム(水分による劣化、光・酸化による劣化、熱・酸化による劣化、NOxガスによる変色・劣化)と、劣化防止法(添加剤等)、ポリウレタン樹脂の耐久性試験 方法について解説された。
民間会社で同種・樹脂の開発経験を持つ同氏の説得力のある講演 でした。   

柘植氏は、 まず 難燃剤の用途と要求性能(指標:L.O.I値)と試験法について、燃焼及び 難燃のメカニズムについて話された。
次にこれまでよく使われてきたHBCD(ヘキサホブロモシクロデ カン)の性能と使用禁止の経緯、代替難燃剤としてのDeca-BDE(デカブロモジフェニルエーテル)の使用禁 止の可能性に言及。更に、難燃剤の使用法(浴中加工、パディング加工)と、代替品として の非ハロゲン系防炎剤(リン系)、非HBCD系難燃剤について話された。
次に フッ素系撥水 剤についてその構造と撥水メカニズム そして C8系(炭素数の多い)の発ガン性による規制 の動向について、代替品としてのC6撥水剤との比較と問題点、非フッ素系撥水剤の開発動 向について話された。
難燃剤、撥水剤とも "要求性能と環境対応"という点に於いて難し い課題であることを認識する講演でした。
(2)交流会  講師と新会員を囲んで、行なわれ 大変 盛り上りました。