20年度

第2回アパレル問題研究会-ディスカッション

事例1 柄糸のみの毛羽立ち
事例2 モール糸の部分毛羽脱落
事例3 糸の飛び出し
事例4 腿後側の毛羽立ち
事例5 ブクツキの発生

事例4 腿後側の毛羽立ち

事例データ
商品 ビジネススーツ(但しパンツ)
苦情内容 太もも後ろ側で毛羽立ちが発生した。
組成表示 毛100%
取扱い絵表示
苦情品の外観 太もも後ろ側で毛羽立ちが発生し、裏側でも毛羽の乱れが認められる。上衣には異常は見られない。
関連する試験データ ピリング:JISL1076 ICI法10時間4-5級
マーチンデール法:1,000回4-5級 
検討内容
  • 1.何故この現象が起こるのか?
  • 素材が甘撚りで織り組織もルーズな柔らかい感触の素材であり、汗などの湿潤状態でイスや車のシート等で強く摩擦を受け続けることにより毛玉が発生したと推測される。特に、毛玉の形状が細長い場合は、水分の影響下での摩擦によるものの特徴である。
  • 2.製品の特性または技術限界として避けることのできない現象といえるか?
  • 柔らかい風合いの素材を使用している事から、着用状況がやや過酷であった事が考えられる。
  • 3.商品を企画・生産・販売する際の注意事項と対策、クリーニングにおける注意事項と対策。
  • ・柔らかい風合いの素材であり、連続着用は避けるなど説明する。
  • ・ズボン下を着用するなど消費者に啓蒙する(湿潤状態の緩和)。
  • ・ツーパンツなどの形態で販売する。
  • ・クリーニング受付時、本品のような柔らかい素材のものは入念にチェックを行う。

掲載の検討結果は、あくまで課題試料の観察及び事故状況の推定に基づいて検討した結果の一つであり、試験や分析から導いたものではありませんので事実と異なることがあります。ご了承ください。