18年度

第1回アパレル問題研究会-ディスカッション

事例1 縫い目スリップ
事例2 エリ接着樹脂の部分剥離
事例3 裏地のほつれ糸の飛び出し
事例4 シームパッカリング
事例5 接着芯への汚染

事例3裏地のほつれ糸の飛び出し

事例データ
商品 メンズパンツ
苦情内容 ドライクリーニングをしたら、袖や前肩部分から白い繊維が出てきた。
組成表示 表地:毛85%、ポリエステル15%
取扱い絵表示
苦情品の外観 表地とは違うポリエステル繊維が内側から吹き出している。
検討内容
  • 1.何故この現象が起こるのか?
  • ・ポリエステルの裏地の裁ち目のほつれがクリーニング時の機械力で表面に吹き出した。
  • ・ポリエステルのフラットヤーン(撚りがかかっていない)でスリップを起こしやすく、ほつれやすい。フラットヤーンはツヤが美しいがこの様な欠点がある
  • ・ 表地が強撚糸の梳毛地なので空隙が大きいため内側の繊維が出やすい。
  • ・裏地の縫製や裁ち目の処理が雑
  • 2.判断基準と試験方法
  • 1)撚りのかかっているもの
    2)撚りのかかっていないもの
    3)他の素材(キュプラなど)
    以上の素材の生地をバイヤスに裁ち、商業クリーニング(ドライ・ウェット後タンブラー乾燥)を行い評価してみる。
  • 3.商品を企画・生産・販売する際の注意事項
  • ・撚りのかかった糸を使う
  • ・キュプラを使う
  • ・黒っぽい目立ちにくい糸を使う
  • ・裁ち目の処理を丁寧にする(オーバーロックを掛けるなど)
  • 4.クリーニングにおける注意
  • 本品はウェットクリーニングされておいる可能性もあるが、ウェットクリーニングはこの様なリスクもあることを念頭に行い、消費者と話し合って行う。

掲載の検討結果は、あくまで課題試料の観察及び事故状況の推定に基づいて検討した結果の一つであり、試験や分析から導いたものではありませんので事実と異なることがあります。ご了承ください。