15年度

第3回アパレル問題研究会-ディスカッション

事例1 中綿の吹き出し
事例2 分散染料の色泣き
事例3 極細ポリエステル起毛素材の毛羽乱れ
事例4 ドライクリーニングによる際ツキ
事例5 目よれによるプリントの反転

事例4ドライクリーニングによる際ツキ

事例データ
商品 メンズコート
苦情内容 ドライクリーニング(石油系)をしたら、前立て、脇ポケット周辺など縫い目全体ににシミが付いて取れない。
 (企画における試作段階でのクリーニングテストでこの欠点が分かり、商品化を中止した)
組成表示 表地 ポリエステル 100%
裏地 ポリエステル 100%
取扱い絵表示
検討内容
  • 1.なぜこの現象が起こったか?
  • ・表地の裏面が、フロッキー加工されているので溶剤を含み、乾燥に時間がかかる。
  • ・他の被洗物の汚れを含んだ溶剤が第一回のクリーニング時に中に入り、すすぎでは出てこない。(表地が高密度織物で通気性がわるい。溶剤が入れ替わりにくい)
  • ・表地と裏地が袋状になっており、溶剤の抜ける所がない。
  • 2.判断基準と試験方法
  • ・製品でドライクリーニング試験。
  • ・ウオータースポット試験(溶剤・水などで試験し、スポット現象を見る。)
  • ・JISの試験法(生地のサンプル)では再現できない。
  • 3.対策
  • ・サンプルでの事前試験を行う。
    水洗い・脱水が可能かを調べる。
  • ・溶剤が抜けやすい裏地・縫製を企画段階で検討する。
  • ・溶剤、水分を抱え込まないような生地を使用する。 
  • 参 考
  • クリーニング業者から見た「際ツキ」

掲載の検討結果は、あくまで課題試料の観察及び事故状況の推定に基づいて検討した結果の一つであり、試験や分析から導いたものではありませんので事実と異なることがあります。ご了承ください。