15年度

第3回アパレル問題研究会-ディスカッション

事例1 中綿の吹き出し
事例2 分散染料の色泣き
事例3 極細ポリエステル起毛素材の毛羽乱れ
事例4 ドライクリーニングによる際ツキ
事例5 目よれによるプリントの反転

事例3極細ポリエステル起毛素材の毛羽乱れ

事例データ
商品 メンズパンツ
苦情内容 1週間ほどの着用で、脇ポケットやフラップなどに毛乱れが発生した。
組成表示 表地 ポリエステル 100%
取扱い絵表示
この製品はマイクロフアイバーフイラメント織物で、ソフトな風合いを出すため、表面起毛加工を行っています。このため、摩擦頻度の多い部位の毛並みが乱れたりして、すり切れたかのように見えることがありますが、ブラッシングの手入れで、元に戻ります。
検討内容
  • 1.なぜこの現象が起こったか?
  • 最新素材(極細ポリエステル起毛素材)を使用した。
    糸の撚りが甘く毛足が長い為、軽い摩擦により遊び毛が抜け絡みあった。静電気の影響もあり。1週間の着用試験で毛乱れが発生した為、販売を中止した。
  • 2.判断基準と試験方法
  • ・軽摩擦による毛乱れは、JIS試験(ピリング)では確認できない。予測試験方法としては、
    1)ペーパーやすりに一定の加重をかけ、摩耗の度合いを見る。
    2)学振型試験機による摩耗試験(摩耗布外観を見る)
    などが考えられるが、現状では着用試験が最も正確に現象を確認できる。
  • 3.対策
  • 新素材を採用する場合は、JISによる物性試験だけでは思いもよらない問題が発生する。
    着用試験をして商品化が可能かどうかを確認することが必要である。

掲載の検討結果は、あくまで課題試料の観察及び事故状況の推定に基づいて検討した結果の一つであり、試験や分析から導いたものではありませんので事実と異なることがあります。ご了承ください。