21年度

平成22年度 新会員歓迎特別講演会 (兼 産学官技術交流会)

日 時 平成22年12月11日(土)13:30~18:30
共 催 日本繊維製品消費科学会 北陸支部・福井地区
会 場 (財)日本繊維製品品質技術センター 福井試験センター
参加者 講演会:45名、交流会:26名(内、新会員12名)

講演会および歓迎会要約

1.講演会
(1)「蛍光現象と蛍光増白剤などについて」
   元日本化薬㈱    田中 敏夫 氏  (TES会本部事務局)
(2)「小惑星探査機"はやぶさ"に搭載した炭素繊維のアンテナ」
    ~炭素繊維と 三軸織物の可能性について~
   サカセ・アドテック(株) 専務 酒井 良次 氏

 田中氏は、①蛍光現象とは、外からエネルギーが与えられて電子が軌道を替え、再び  元の軌道に戻る際に光が放出される現象である、②蛍光増白剤は青紫色の光を補い、 反射率の総量を増やすことにより白く見せる、③蛍光増白剤の化学構造などの特徴、④蛍光増白剤には増白の機能があるが、量(濃度)が多過ぎると濃度消光作用を示す、⑤蛍光増白剤は安全であるなど話された。TESにとって必要な蛍光現象に関わる基礎的な知見を得ることが出来た。

 酒井氏は①小惑星"イトカワ"を探査し、地球に帰還した"はやぶさ"に搭載された炭素繊維・三軸織物複合材のアンテナについて、②三軸織物・織機の構造について、③宇宙開発プログラムとサブシステムの開発について(コンパクトに収納し、自在に伸びたり、折り紙構造など、おもしろい発想のアンテナ等)、④超軽量大形宇宙構造物の研究の一部紹介、⑤三軸織物複合材を照明器具や冬季五輪のボブスレーに用いる等の用途開発例を多岐に渡って話された。繊維技術を基礎としながら、従来の繊維の枠を超えた用途開発例や発想は大変興味深いものであった。

2.交流会   幹事から新会員の合格に対する祝辞と北陸支部の行事の紹介及び活用の仕方が話され、乾杯の後、両講師と今年度、北陸地区で合格した39名の内、参加した12名の新会員を囲んで活発な交流が行われた。新会員も 1人ひとり抱負を述べるなど 大変盛り上がった交流会でした。