30年度

平成30年度 繊維製品品質管理基礎講座① 『苦情事例研究会』 

日 時 2019年2月9日(土) 13:30~17:00
会 場 丸岡総合福祉保健センター 2階 研修室1~2
福井県坂井市丸岡町八ヶ郷 21-7-1  [TEL] 0776-68-5050
内 容 (1)ミニ講演
『苦情事例の解析のプロセスについて』
 講師:(一財)カケンテストセンター 北陸検査所 土田 憲史 氏
 事例を1点あげ、解析のプロセスについて解説

(2)『苦情事例の発生要因の解析』(演習)
 実際に起きた苦情事例の現物を6点準備し、それらを3班に分かれ、発生要因を班ごとに討議し、最後に班ごとの意見を発表

(3) 総括ミニ講演 
 講師:(一財)カケンテストセンター 北陸検査所 土田 憲史 氏  
参加者 35名

要約

(1) 解説ミニ講演 「苦情事例の解析とプロセスについて」    
(一財)カケンテストセンター 北陸検査所 土田 憲史 氏

カケンで取り扱った過去の苦情事例では、色の変化が47%、外観変化が25%、 安全衛生が12%との紹介の後、苦情事例の解析の手順を 綿100%のカーディガンの色泣きの事例をあげ、原因の推測~再現試験~対策 のプロセスを解説。

(2)3班に分かれ 解析演習  予め準備された6つの苦情事例につき3班に分かれ、それぞれの班で一定の時 間内で解析の討議を行ない、最後に各班の代表が 各班の解析結果を発表した。 尚、参加メンバーには「苦情事例記載用紙」を配布、各自 記載する演習も実施。 苦情事例は 次の通り。
 ①モール糸使いの靴下の毛羽脱落

 ②ジャケットの1~2回着用で表面に細かいシワが発生

 ③手提げカバンの取っ手が根元から抜けた

 ④ カバンの底部の生地と留め金が外れた

 ⑤着用して間もなくサンダルのかかと部分の上部と台部が分離した(剥がれた)

 ⑥最初の使用でサンダルのかかとのバンド が抜けた。 (3)総括ミニ講演 (土田氏)  ①モール糸使いの靴下では使用したモール糸に熱融着糸を使用していなかった ことが原因、②ジャケットのシワは接着芯地のはく離が原因、⑤サンダルのかかと 部分の分離は構造上の接着面積不足が原因など原因へのアプローチの仕方や再現試験法なども含めわかりやすく解説された。
 土田氏のわかりやすい解説のおかげで、参加者にとり、日ごろ各職場で発生する苦情事例に対し、どのようなプロセスで原因を推測~再現試験などで特定~再発防止策をたてるかの貴重な体験が得られた研究会でした。

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