23年度

平成23年度 企業見学会

日 時 平成23年11月18日(金) 8:15~19:00
場 所 三重県津市 おぼろタオル㈱ 多気郡明和町 河田フェザー(株)
ミニ講座 講師 河田フェザー(株) 取締役社長 河田 勝敏 氏
参加者 33名

見学会要約

おぼろタオル(株)  おぼろタオル㈱は明治41年創業、朧染タオル製造法の専売特許をとり起業。現在も織布から縫製まで一貫生産している。見学は加工工程に沿って整経、織布、捺染、漂白、洗浄、乾燥、裁断、縫製、検品、検針まで順に案内していただいた。タオルがこれほど工程数の多い手間のかかる製品だと初めて認識した。検品は二人1組で行い、金属探知機による検針もしっかりされている。中国製など安い製品が幅をきかせている今日だが、いたずらに量の拡大を追うことなく伝統を守りながら事業を継承している姿にこれからの日本のものづくりのあり方を見る思いであった。
河田フェザー(株)  河田フェザー㈱は明治24年創業。当時は弓矢や破魔矢等の装飾用羽根が主力商品だった。社名がフェザーであるのも納得。現在は世界中から羽毛を輸入し、世界有数規模の洗浄ラインで加工している。見学は原料羽毛の入荷から羽毛布団の梱包まで順に案内していただいた。除塵、洗浄、乾燥、冷却除塵、分別等全ての作業が大きなボックスの中で行われるため、羽毛の加工は染工所に勝るとも劣らない巨大装置産業である。研究室ではダウンのかさ高試験や選別作業も見せていただいた。
 河田社長によるミニ講座は恐竜の羽毛の話から始まった。名古屋で創業したが、地形の関係で湿度が低く、良質の水に恵まれて羽毛の洗浄に最適の地である明和町に移転した。北欧における野生鴨の羽毛採取の話も興味深く聞いた。

 両社とも100年以上の社歴を有する企業。伝統と最新技術の中に日本製品の確かな品質を確認し、非常に有意義な見学会であった。15時に終える予定の見学会であったが、午前から予定は遅れ、河田フェザーでのミニ講座を終えてバスに乗り込んだ時は既に17時近く、夕闇が迫っていた。見学を快く引き受けていただき、予定時間を超える長時間の見学会になったにも拘らず丁重にご案内いただいた両社に改めて感謝の意を表したい。