25年度

クレーム事例勉強会 (第101回) 

日 時 平成25年12月20日(金) 18:30~20:00
場 所 金城学院大学サテライト
参加者 23名

勉強会概要

第1部 ミニ講座 元・竹本油脂(㈱)岩瀬一洋氏に、「繊維用油剤と界面活性剤」に関する基礎知識の概略を解説していただいた。

第2部 事例紹介 Aグループ検討品
石油系ドライクリーニングで合皮が硬化したジャケット
表:ポリエステル96%、ポリウレタン4%
配色:ポル塩化ビニル49%、ポリエステル41%、ポリウレタン10%
裏基布:ポリエステル65%、綿35%
裏:ポリエステル100%
取扱表示(107,202,303当布,401,タンブラー乾燥禁止)
検討結果

・配色部分の組成には「ポリ塩化ビニル49%」とあり、ポリエステル・綿の基布に塩ビを載せ、更にポリウレタンをコーティングした三層構造と思われる。それに対し、取扱絵表示にドライクリーニング可(401)とあり、表示間違いの可能性が高い。製品は製造後10年以上経過していると思われるが、その間一度もドライ処理されていないのか疑問も残る。

Bグループ検討品
通常クリーニング(水洗い)で剥離が発生したダウンジャケット インポート商品、原産国不明、取扱表示(ISO表示で106,202,303,403,タンブラー禁止)
検討結果

・表素材(ポリエステル100%)はラミネートフィルムコーティングと思われる。 ・購入から35ヶ月の商品とあるが、コーティング接着剤の不良が考えられる。

Cグループ検討品
異臭がするテキスタイル(色はクロ、組成情報なし)
この素材を使用した製品から異臭があった。製品はプリントが施されておりドライ不可であったため水洗いをしたところ、異臭は消えた。原因を知りたい。
事前テスト ・当該生地にて①水洗い、②ドライ処理、③陰干しのみ2日間を実施 ・陰干しのみを含め、いずれも臭いは消えた。 検討結果 ・硫黄の様な臭いがすることから、硫化染料の使用過多も考えられる。 ・臭いの原因が、染料・助剤・還元剤等加工工程において吸着したものか、外部から付着したものか。 ・使用染料の調査が必要。