2020年度

2020年度 第1回基礎講座セミナー

日 時 2020/9/12(土) 14:00~16:00
場 所 ウインクあいち 901号室
テーマ 『繊維業界のサステナブル活動』
講 師 兒玉 哲夫氏(元 一般財団法人ボーケン品質評価機構)
参加者 59名

講演概要と所感

 昨今、新聞やテレビなどのメディアで目にする機会の増えてきたSDGs、COP21のパリ協定など、環境への配慮と持続可能な社会への具体的な参画についての注目が国内でも高まってきている。今回のセミナーでは各企業におけるSDGsに関する各種項目の目標や参考とするべき規格、さらには化学物質管理における様々な国・団体の動向についてご講演いただいた。
 冒頭に前述のSGDsと繊維業界の関連付けや、CSRとサステナブル活動の関係について説明された。世界各国のNGOや投資家がサステナビリティに注目しており、様々な指針や規格を参考に活動を展開することが、持続可能な社会の形成への寄与にとどまらず、企業価値の向上にもつながることが示された。 特に環境についての問題がクローズアップされがちだが、労働者の安全衛生や人権についても国際規格が作られ、認証が進められていることにもふれられた。つまるところ企業活動においては、これまで以上に多くの項目において対外的に情報を発信すること、CSRについては少なくとも第二者監査(代行)、できれば第三者監査を実施することが好ましいとされる社会になりつつあるようだ。
 後半では化学物質管理の動向について、非常に詳しく説明いただいた。すでに欧米向けの輸出に携わる方には周知の事項かも知れないが、多くの国の機関や団体の規制が存在し、現在も内容を充実させながら更新されている。また、団体の活動はサステナビリティやCSR活動にも及んでいる。今後の繊維製品の製造・販売において欧米以外の商圏にも影響しうる内容でありながら、ユーザーに情報開示を求められて初めて取り組むことが多いのではなかろうか。全ては難しいにしても、各種規制に関心を持ち、動向を注視していくことが必要と感じた。
 なお、開講に際しては感染症対策を行い、講師、参加者それぞれの距離を十分にとって実施された。