26年度

平成26年度第1回 基礎講座セミナー

日 時 平成25年7月12日(土)   14:00~16:00 
場 所 名古屋学芸大学 523教室
テーマ 『セルロースナノファイバーについて』
講師:京都大学 生存圏研究所 生物機能材料分野 教授 矢野 浩之 氏
参加者 40名

講演概要・感想

 セルロースナノファイバーと聞くと何やら難しいイメージがあるが、植物の組織を構成する細胞の周りを取り巻く物質のことで、細胞を建材ブロックに例えるなら、それを積み上げるときに使うセメントのようなものと捉えればよい、という説明に幾分ホッとする。森林資源に恵まれた日本にも豊富にあるローコストな資源で、その太さは、人間の髪の毛1本の太さを京都盆地に例えた場合、そこに立つ1本の木のようなものだという。
 鋼鉄より強く、ガラスより軽いこの物質は様々な分野での応用を目指して研究が進められている。植物由来であることから、人体や自然に優しいので食品添加分野での応用、軽くて強いことから車や航空機に応用といった具合である。
 水と仲の良い性質は、安全であることを物語る長所である一面、応用する相手によっては短所となる。
セルロースなので染色も可能である。衣料用テキスタイルの課題である染色堅牢度や物性の向上に応用できないものかと期待し、研究対象に加えてほしいとお願いした。